「先月整理した業務メモ、どこに保存したっけ……」
そう思いながらフォルダを探して、似たようなファイルが3つ出てくる。いちばん新しいものを開いたら、去年作ったものでした。(笑)
笑い事ではなく、これ、社内マニュアル作りでいちばんよく起きる失敗です。
作った。整理した。保存した。なのに、使われなかった。たった3ヶ月後なのに。
なぜでしょうか?
実はここに、AI時代の社内マニュアル作りで最初に理解しておくべき、大切な「知識」があります。
「保存した」と「使える状態にした」は、別のことです
マニュアルが使われなくなる理由は、内容が悪いからではありません。
「どこにあるか分からない」か「探すのが面倒」かのどちらかです。
「あ、探させられてる」と感じた瞬間、探す気が一気に失せませんか?それが紙の棚に綴じてあるならなおさらです。知識というのは、取り出せなければないのと同じです。
だからこそ、社内マニュアル作りで本当に大切なのは、「きれいな文章を作ること」ではありません。
知識を、必要な瞬間に取り出せる場所に置くこと。 これが核心です。
どこに置くか、最初に決めてください
必ず法人向けプランまたは業務利用に適した契約形態を選び、データの保存・学習利用・アクセス管理などが、会社の情報管理方針に合致していることを確認したうえで利用してください。
知識の置き場は、最初に1か所に決めておくことが大切です。
「とりあえずWordで作ってDropboxに入れて、大事なものはメールでも送って……」という状態になると、知識はどこにあるか分からなくなります。必要なときに探せない。探せないから使わない。使わないから更新もされない。こうして知識はまた頭の中だけに戻っていきます。
AI時代の置き場として、特に注目しておきたいのが次の2つです。
- NotebookLM(Google提供)
- Obsidian(長期的に育てるメモアプリ)
どちらが正解かを争う必要はありません。使い方が違うからです。それぞれの役割を理解しておきましょう。
NotebookLMは「資料に質問できる司書」です
NotebookLMを一言で言えば、「資料を読んでいてくれる司書」です。
資料をアップロードしておくと、後から「あの件、どこに書いてあったっけ」と聞けば、資料の中から該当箇所を探して答えてくれます。
たとえば、前回整理したインタビューの要約、既存の業務マニュアル、議事録などを入れておくと、こんな使い方ができます。
- 「新人が見積もりで注意すべき点をまとめてください」
- 「クレーム対応で必ず確認することを抜き出してください」
NotebookLMのいちばんの強みは、始めやすさです。 ファイルをアップロードするだけで使えます。ITが得意でない方でも、比較的かんたんに導入できます。
ただし、1つだけ覚えておいてください。
NotebookLMは「入れた資料の中から答えを探す」道具です。音声の文字起こしをそのまま入れるより、一度Geminiで整理してから入れる方が、答えの精度がぐっと上がります。雑然とした倉庫より、整理された倉庫の方が司書も探しやすい。それと同じことです。
まずはNotebookLMから始めてみてください。
Obsidianは「知識を育てる畑」です
NotebookLMが「今ある資料を活用する」道具なら、Obsidianは「これから知識を育てていく」道具です。
なんと、メモをひとつずつ無造作に放り込んでいたとしても、後でそれらを関連付ける方法があるんです。
①Cursorの中のターミナルでClaude codeを開く。
②そのClaude codeに対して、「Obsidianのメモをリンク同士で繋いでください」と頼む。
③そうすると、なんと、自動的に関連情報を見つけて線で繋いでいくんです。
それが、この下の図というわけです。(やり方は今はわからなくて大丈夫です。こんなすごい機能があるんだな、と思っておいていただければ)
これ、私のObsidianなので、全く自慢できたもんじゃないですけど汗
でも勝手に点どうしが線でつながっていくのをアニメのように見ているときは本当に驚きましたね。
ということはですよ、
- 「見積もり作成」のノート
- 「クレーム対応」のノート
- 「雨天時の現場段取り」のノート
こうしたノートを少しずつ増やしていくと、つながりも増えていくので、社内の知識が生きたものになっていきます。
ここにCursorやClaude codeを組み合わせると、「このフォルダのメモをもとに、新人向けの手順書を作ってください」という依頼も自然にできるようになります。
ただし、Obsidianは少し上級者向けです。
最初から「ObsidianとCursorで完璧な知識ベースを」と考えると、始まる前に疲れます。(笑)NotebookLMで使う感覚をつかんでから、徐々に移行するくらいのペースが現実的です。
結局、どちらから始めればいいですか?
まずNotebookLMから始めてください。
前回整理したインタビュー要約や、既存の社内資料をアップロードするだけで、明日から「AIに質問できる社内マニュアル」の感覚がつかめます。
ツールの移行や本格的な知識ベース構築は、その後で十分です。
まとめると、
今すぐ → NotebookLM 本格的に育てる → Obsidian × Cursor
この流れで進んでみてください。
終わりに
社内マニュアル作りで多くの会社がつまずくのは、「作ること」ではなく「使い続けること」です。
そのためのカギは、取り出しやすい場所に置くこと。そして、少しずつ更新し続けること。
きれいな完成品を一度だけ作るより、荒削りでも毎月1つ更新される知識ベースの方が、圧倒的に会社の役に立ちます。
「今月のインタビュー要約をNotebookLMに入れる」だけでもいい。その小さな習慣が、1年後には大きな差になっています。
あなたの会社の知識が、誰かの頭の中だけに眠らずに済む日が来ることを、心から願っています。
社内マニュアルを「使われる場所」に置く(まとめ)
- 置き場を1か所に決める——複数の場所に分散させると知識はまた頭の中に戻る
- 今すぐ始めるならNotebookLM——ファイルをアップロードするだけ。AIに質問できる社内マニュアルが即日完成
- 本格的に育てるならObsidian×Cursor——メモ同士が自動でつながり、生きた知識ベースになる
- 入れる前に整理する——雑然とした資料より、Geminiで整理した資料を入れると精度が上がる
- 更新し続ける仕組みを作る——完成品より「毎月1つ追加される荒削りな知識ベース」の方が価値がある
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